気になる二人の関係性【あとがき】

5/23発行の気になる二人の関係性の追加あとがきです。 本書の詳細→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15175387

表紙

初版
表紙用紙:ファンタス_ヒマワリ_200K(グロスPP)

本文用紙:オペラクリームウルトラ_80K

遊び紙:(前)色上質_りんどう_厚口

 

再販

表紙用紙:ミランダ_スノーホワイト_170K

本文用紙:オペラクリームウルトラ_80K

遊び紙:(前)NTラシャ_黄色_100K (後)NTラシャ_濃紫_100K

 

モクチェズWEBオンリーから日が経ち、本当にありがたいことに感想をいただく機会もあって、そこでいただいた感想を何度も読み返しながら、ああそうなんです。そこ、そういう感じで書きました!と色々感極まることがあり、一旦ライナーノーツみたいなもの書きたいな〜と思って筆を執りました。

もしよろしければお付き合いくださいませ!

 

この本の発端は2月18日に呟いた https://twitter.com/hinagami69/status/1362367100174573571?s=21

「ゲリラパフォーマーニンジャさんのyoutude公式動画にピアノの格好いいBGM付いてて和音の動きがハチャメチャらしいと聞いたピアノ経験者が「いやいやwそういうのは大抵打ち込みだからw」つって実際動画みたら「生音…だと…?!一体何者なんだこのスペシャルサンクスドレミさんって…」とざわつく回」

というツイートが全ての発端でした。

140字が1000倍増えて14万字になってしまった。モクチェズの繁殖力はすごいです。水だけで地獄のように増えるミントかな?

 

 

■1話の原案になったツイートをした時はピアニストにオタク要素は無かったのですが、チェズレイは人知れず教祖になってしまうカリスマ性を持っているなあと思っていたのでピアニストには信徒になってもらいました。

終始楽しく筆が踊り、ほとんど詰まらずにかけた記憶があります。楽しかった。

 

ここのお話で出てくる『プリズム』が作中キーワードの一つなのと、ピアニストがヴィンウェイに行きチェズ母の演奏を聞いてメッセージ性を感じた、というところが5話の『音楽は世界共通言語』につながります。

 

 

■2話のチェズレイの部下視点の話はチェズレイに部下はいるのか…?という疑念はありつつもどうしても書きたかったので書きました。

ファントムに撃たれたあと、どうやって生き延びたんだろう。と考えてやっぱ誰かしらの手は借りたのでは無いのかな、と思い…。それをカルロという男に託しました。

モデルはゲーム本編に出てくる「つり目の黒スーツ」です。SE仮面の起点でファントムに会う直前、車の中でチェズレイに声をかけてる人です。

ここのお話では『車』を通じてファントムとモクマの相違を描きたかった…のですが、伝わったかめちゃくちゃ不安!

 

Twitterでも言ったのですが作中「引き算の優しさ」って書いた部分で、引き算の優しさができるのは自分が大きな数字を抱えてる人間の特権なんですよね。相手が大きい数字であれば尚更、結果がマイナスになってしまいがち。それでもモクマは抱えすぎて大きくなったチェズレイの数字をちょっと減らして軽くしてくれるんですよね。

でもときにはモクマは足し算だって掛け算にだってなるし、そうして膨大な数字で二人で世界を征服してほしいです。

 

チェズレイの誕生日の日、降っていた雨が雪に変わり惨劇が訪れたあの日と違い、モクマとのドライブでは雨の中暗いトンネルを通り抜けたら晴れ間が見える、みたいな対比と。何も雨が全て悪いわけじゃ無いよね、雨は川をたどり海に流れ着く、そして『恵みの雨』って言葉もあるものね、というのをチェズレイの言葉を雨に例えたりして表現したかった部分です。

 

 

■3話のパン屋の男の話はチェズレイの過去を描きたくて書きました。

あとこの場をお借りして謝罪したいことがあり、本書の一部で『ドン』と表記すべきところが『ボス』になっています。本当に申し訳ありません!!

 

パン屋の男はオタクピアニストの男と同じチェズに焦がれる感情を抱いているモブ男。と、少しキャラが被ってしまいそうだったので、そうならないために「チェズレイの容姿への」一目惚れ要素を強くしました。

ピアニストは「チェズレイのピアノへの」一目惚れなのであまりチェズ本人の容姿について触れないように意識していたのですが、パン屋の男はチェズの顔が好きなのでとにかく褒めちぎることが出来て原稿楽しかったです!

個人的に『ドンは思い出になるにはあまりに美しすぎる。』の一文が気に入っています。

 

この話もまた2話と同じく『車』を通じて、高級車でチェズレイを後部座席に乗せていたファントムと、普通乗用車でチェズレイを助手席に乗せてるモクマという対比を描きたくて書きました。あと本当にこれの一個前のカルロとの話を経てモクマは車買いましたよ、という流れを出したく…。

車体をペールブルーと表記したのは二人にとって思い入れ深い空と海の色が良いなーと思ってそうしました!あとファントムの乗ってる車は白のイメージ(濁りのない色)ですが、モクマとはその白に純色を混ぜた色(ペールカラー)が良いなぁという思いもありました。

白い車と言ったファントムが乗っている車のイメージはロールスロイスのファントムです!白いかっちょええ車。こんな車にファとチェズみたいな色男二人が乗ってたら間違いなく一般人は近寄れねえよ…。

 

ナレズノイとかザヴァルノイとかはロシアパンです。モクマが好きだ〜て言ってるのは一応ピロシキあたりを想定してました。

現在のチェズレイがプレーンパン以外のものを手に取る=濁りを受け入れられるようになった、という意味合いで書きました。

そしてここで出てくるダイヤモンドのブローチが1話の『プリズム』とこの先に続く『星』の繋ぎになるように書きました。(伝わっていたら嬉しいです)

 

 

■4話でようやくハスマリー公演当日になります。1−3話の要素がフル活用されて書いていてとても楽しかったです。

そしてモクマは初恋泥棒だったら良いよな〜という願望も詰め込んでいます。

1話の『音楽は世界共通言語』の繋がりでピアノを出し『きらきら星』へと繋げた話です。

これのアンサーストーリー的なポジションが5話のアーロン視点で、その流れを汲んで6話のルーク視点に行きます。

アーロン回でちょっとした潜入パートも差し込みましたが、これが一応1話のあゝ麗しのドレミさんでモクマが三ヶ月の間にミカグラ空港に頻繁に訪れていたという理由に繋がります。(ミカグラ内の悪党を追うべく数度に渡り島に来ていた)

 

 

■ 6話でチェズレイが弾いているのはモーツァルトのきらきら星変奏曲です。

(バディミの世界は現代だけど現実では無いのでモーツァルトの生まれであるオーストリアも存在しないかもしれない、と思ったので曲名は伏せました)

ピアノシーンの原稿中はずっと辻井伸行さんのピアノを聞いていたのですが、きらきら星変奏曲は「THE BEST」のアルバムに収録されてます。めちゃくちゃ格好よく軽やかかつダイナミック、そして華やかな演奏でテンション上がるのでおすすめです!

 

エピローグでは全ての総括、という意味合いを込めて書きました。

お供え物、多分チェズレイは馴染みないだろうなぁ〜と思ったのですが3話で出てきたナレズノイをお供えする二人がこの話のあとにいたら良いなとか思いながら書いておりました。

 

 

■本書の後書きでも書いたのですが、ルークの潜入服の背中に大きな星があるのが好きで、そしてアーロンがハスマリーのことを「紛争は絶えないが星空は悪くない」と話していたところも大好きで、この二つをリンクさせたお話を書きたい。と思って筆を執りました。

ここだけだとモクチェズから離れてしまうので、きらきら星のピアノを持ってきて、そこの英詞の「ダイヤモンドの星」というフレーズからチェズレイの持つ形見のブローチ。またそのブローチの煌めきからプリズムのキーワードへ…という一連の流れを組んで執筆しておりました。が、ちゃんと作動したか不安になって何度も原稿を読み返しました。伝わっていたらめちゃくちゃ嬉しいです。

 

 

■短編集を同人誌で書いたのが初めてで、単話完結でありながら全体を通して起承転結のあるつながった話にしよう!と決めたのは良いものの、なかなか難しく繋がりがうまくできたか不安なところ、感想で構成を褒めていただけたりして本当に安心し、何よりとっても嬉しかったです!

拙いところも多くあったと思われますが、少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。

 

 

■今後のイベントは9月のバディミプチオンリーと12月のモクチェズwebオンリーにサークル申し込みしております。

今後もまた、何かしら書いていけたら良いなと思っておりますので見かけましたら何卒よろしくお願い致します。

ここまでお読み下さりありがとうございました!